2019年5月16日木曜日

(法人税)社宅家賃<役員>

役員に対して社宅を貸与する場合は、役員から1か月当たり一定額の家賃(以下「賃貸料相当額」といいます。)を受け取っていれば、給与として課税されません。
 賃貸料相当額は、貸与する社宅の床面積により小規模な住宅とそれ以外の住宅とに分け、次のように計算します。ただし、この社宅が、社会通念上一般に貸与されている社宅と認められないいわゆる豪華社宅である場合は、次の算式の適用はなく、通常支払うべき使用料に相当する額が賃貸料相当額になります。
  1. (注1) 小規模な住宅とは、法定耐用年数が30年以下の建物の場合には床面積が132平方メートル以下である住宅、法定耐用年数が30年を超える建物の場合には床面積が99平方メートル以下(区分所有の建物は共用部分の床面積をあん分し、専用部分の床面積に加えたところで判定します。)である住宅をいいます。
  2. (注2) いわゆる豪華社宅であるかどうかは、床面積が240平方メートルを超えるもののうち、取得価額、支払賃貸料の額、内外装の状況等各種の要素を総合勘案して判定します。なお、床面積が240平方メートル以下のものであっても、一般に貸与されている住宅等に設置されていないプール等の設備や役員個人のし好を著しく反映した設備等を有するものについては、いわゆる豪華社宅に該当することとなります。
1 役員に貸与する社宅が小規模な住宅である場合

次の(1)から(3)の合計額が賃貸料相当額になります。
  1. (1) (その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2%
  2. (2) 12円×(その建物の総床面積(平方メートル)/(3.3平方メートル))
  3. (3) (その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22%
2 役員に貸与する社宅が小規模な住宅でない場合

役員に貸与する社宅が小規模住宅に該当しない場合には、その社宅が自社所有の社宅か、他から借り受けた住宅等を役員へ貸与しているのかで、賃貸料相当額の算出方法が異なります。
  1. (1) 自社所有の社宅の場合
    次のイとロの合計額の12分の1が賃貸料相当額になります。
    1. イ (その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×12%
       ただし、法定耐用年数が30年を超える建物の場合には12%ではなく、10%を乗じます。
    2. ロ (その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×6%
  2. (2) 他から借り受けた住宅等を貸与する場合
     会社が家主に支払う家賃の50%の金額と、上記(1)で算出した賃貸料相当額とのいずれか多い金額が賃貸料相当額になります。
3 給与として課税される範囲

  1. (1) 役員に無償で貸与する場合には、賃貸料相当額が、給与として課税されます。
  2. (2) 役員から賃貸料相当額より低い家賃を受け取っている場合には、賃貸料相当額と受け取っている家賃との差額が給与として課税されます。
  3. (3) 現金で支給される住宅手当や入居者が直接契約している場合の家賃負担は、社宅の貸与とは認められないので、給与として課税されます。
(所法36、所基通36-15、36-40~42、平7・4課法8-1外)

参考:国税庁タックスアンサー

(法人税)社宅家賃<従業員>

使用人に対して社宅や寮などを貸与する場合には、使用人から1か月当たり一定額の家賃(以下「賃貸料相当額」といいます。)以上を受け取っていれば給与として課税されません。
 賃貸料相当額とは、次の(1)~(3)の合計額をいいます。
  1. (1) (その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2%
  2. (2) 12円×(その建物の総床面積(平方メートル)/3.3(平方メートル))
  3. (3) (その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22%
使用人に無償で貸与する場合には、この賃貸料相当額が給与として課税されます。
 使用人から賃貸料相当額より低い家賃を受け取っている場合には、受け取っている家賃と賃貸料相当額との差額が、給与として課税されます。
 しかし、使用人から受け取っている家賃が、賃貸料相当額の50%以上であれば、受け取っている家賃と賃貸料相当額との差額は、給与として課税されません。
(例)賃貸料相当額が1万円の社宅を使用人に貸与した場合
  1. (1) 使用人に無償で貸与する場合には、1万円が給与として課税されます。
  2. (2) 使用人から3千円の家賃を受け取る場合には、賃貸料相当額である1万円と3千円との差額の7千円が給与として課税されます。
  3. (3) 使用人から6千円の家賃を受け取る場合には、6千円は賃貸料相当額である1万円の50%以上ですので、賃貸料相当額である1万円と6千円との差額の4千円は給与として課税されません。
また、会社などが所有している社宅や寮などを貸与する場合に限らず、他から借りて貸与する場合でも、前に説明した三つを合計した金額が賃貸料相当額となります。
 したがって、他から借り受けた社宅や寮などを貸す場合にも、貸主等から固定資産税の課税標準額などを確認することが必要です。
 現金で支給される住宅手当や、入居者が直接契約している場合の家賃負担は、社宅の貸与とは認められないので給与として課税されます。
 なお、看護師や守衛など、仕事を行う上で勤務場所を離れて住むことが困難な使用人に対して、仕事に従事させる都合上社宅や寮を貸与する場合には、無償で貸与しても給与として課税されない場合があります。


参考:国税庁タックスアンサー

(法人税)慰安旅行と税務

従業員レクリエーション旅行の場合は、その旅行によって従業員に供与する経済的利益の額が少額の現物給与は強いて課税しないという少額不追及の趣旨を逸脱しないものであると認められ、かつ、その旅行が次のいずれの要件も満たすものであるときは、原則として、その旅行の費用を旅行に参加した人の給与としなくてもよいことになっています。
(1) 旅行の期間が4泊5日以内であること。
海外旅行の場合には、外国での滞在日数が4泊5日以内であること。
(2) 旅行に参加した人数が全体の人数の50%以上であること。
工場や支店ごとに行う旅行は、それぞれの職場ごとの人数の50%以上が参加することが必要です。
(注1) 上記いずれの要件も満たしている旅行であっても、自己の都合で旅行に参加しなかった人に金銭を支給する場合には、参加者と不参加者の全員にその不参加者に対して支給する金銭の額に相当する額の給与の支給があったものとされます。
 
(注2) 次のようなものについては、ここにいう従業員レクリエーション旅行には該当しないため、その旅行に係る費用は給与、交際費などとして適切に処理する必要があります。
 
 
①役員だけで行う旅行
②取引先に対する接待、供応、慰安等のための旅行
③実質的に私的旅行と認められる旅行
④金銭との選択が可能な旅行


参考:国税庁タックスアンサー

2018年2月4日日曜日

(所得税・法人税)不動産購入の際の必要経費算入


 購入した不動産の取得価額には、原則として、その資産の購入代価とその資産を事業の用に供するために直接要した費用が含まれます。

仲介手数料 
 不動産の購入に際し不動産会社に支払う仲介手数料は、資産の取得価額に計上します。建物に係る介手数料は、建物取得価額に計上した上で耐用年数に応じて減価償却の対象になります。
固定資産税の精算金
 税務上は、固定資産税の精算金は、売買金額の一部として取り扱い、建物に係る固定資産税の精算金は建物に、土地に係るものは土地の取得価額として計上します。
借入金利息等
【所得税法基本通達38-8
  固定資産の取得のために借り入れた資金の利子(賦払の契約により購入した固定資産に係る購入代価と賦払期間中の利息及び賦払金の回収費用等に相当する金額とが明らかに区分されている場合におけるその利息及び回収費用等に相当する金額を含む。)のうち、その資金の借入れの日から当該固定資産の使用開始の日(当該固定資産の取得後、当該固定資産を使用しないで譲渡した場合においては、当該譲渡の日。以下3886において同じ。)までの期間に対応する部分の金額は、業務の用に供される資産に係るもので、3727又は3728により当該業務に係る各種所得の金額の計算上必要経費に算入されたものを除き、当該固定資産の取得費又は取得価額に算入する。
 固定資産の取得のために資金を借り入れる際に支出する公正証書作成費用抵当権設定登記費用借入れの担保として締結した保険契約に基づき支払う保険料その他の費用当該資金の借入れのために通常必要と認められるものについても、同様とする。
【所得税法基本通達37-27
 業務を営んでいる者が当該業務の用に供する資産(3728において「業務の用に供される資産」という。)の取得のために借り入れた資金の利子は、当該業務に係る各種所得の金額の計算上必要経費に算入する。ただし、当該資産の使用開始の日までの期間に対応する部分の金額については、当該資産の取得価額に算入することができる。(昭52直所333、直法610、直資315改正)
() 不動産所得、事業所得、山林所得又は雑所得を生ずべき業務を開始する前に当該業務の用に供する資産を取得している場合の当該資産の取得のために借り入れた資金の利子のうち当該業務を開始する前の期間に対応するものは、この項の適用はなく、「388」の適用があることに留意する。
【所得税法基本通達37-27
 業務の用に供される資産を賦払の契約により購入した場合において、その契約において購入代価と賦払期間中の利息及び賦払金の回収のための費用等に相当する金額とが明らかに区分されている場合のその利息及び費用等に相当する金額は、当該賦払期間中の各年分の必要経費に算入する。ただし、当該資産の使用開始の日までの期間に対応する部分の金額については、当該資産の取得価額に算入することができる。
収入印紙
1)金銭消費貸借契約書の印紙  必要経費計上
2)不動産売買契約書の印紙   取得価額計上
登記費用・不動産取得税等
  個人の場合  必要経費計上
 法人の場合  費用計上又は資産計上(取得価額計上)の選択


 

2017年9月21日木曜日

(所得税・贈与税)離婚と税金

■慰謝料は損害賠償
 慰謝料とは、離婚原因を作った方が、相手方に支払う精神的・肉体的損害に対する賠償です。ですから貰ったほうは収入になりますが、所得税法に心身に加えられた損害の賠償金は非課税とありますので課税されません。

■財産分与は共有財産の分割
 財産分与とは、夫婦の財産は2人で協力して築いてきた財産であるとして、その財産を単に2人で分けることであるため、原則贈与税はかかりません。
 原則と言うのは、その財産分与が異常に過大であったり、この制度を利用して、贈与税や相続税を逃れる為の離婚であったりした場合は、贈与税が課税されます。

■金銭でない場合は要注意
 財産を全て金銭(預金等)で持っている場合は少ないと思われます。財産と言われる物としては自宅等の不動産があると思われます。不動産で慰謝料や財産分与を支払った場合は、一度不動産を売却しそのお金で慰謝料や財産分与を支払ったと考え、支払った側に不動産の譲渡所得が発生します。
 不動産が下落している場合は譲渡損となり譲渡所得は発生しませんが、不動産が値上がりしている場合や、相続や贈与で親から貰った場合は譲渡所得が発生し、所得税が課税されます。

2017年9月17日日曜日

(法人税)アーケード(共同施設)負担金

 「共同的施設」の設置に際して支出した費用については、一時の損金に算入することはできません。商店街のアーケードのケースでは、繰延資産として5年で均等償却する必要があります。
 会社が便益を受ける公共的施設の設置または改良のために支出する費用で、支出の効果がその支出の日以後1年以上に及ぶものは繰延資産となります。
 具体的には、①道路、堤防、護岸、工作物などの公共的施設の設置や改良のために要する費用②自己が利用する公共的施設の設置や改良を国や地方が行う場合の一部負担金③自己の所有する道路や工作物を国や地方に提供した場合のその道路や工作物の価額④国や地方の行う公共的施設の設置などで著しく利益を受ける場合のその設置費用の一部負担金⑤鉄道業以外の法人で鉄道業を営む法人が、鉄道の建設で支出する連絡地下道などの建設費用の一部負担金――などが該当します。
 償却期間はその施設の耐用年数などによって異なりますが、償却限度額は「繰延資産÷償却期間の月数×その事業年度の月数」となります。






2017年9月16日土曜日

(贈与税)海外財産の贈与

 日本国内にある財産を、日本国内に住所を有していない個人が、贈与によって取得した場合でも、贈与税が課税されます。また、海外にある財産を贈与により取得した場合でも、その贈与を受けた人に日本国籍があって、その人または贈与した人が贈与前5 年以内に国内に住所を有していたときは、その国外財産についても課税されるので要注意です。これらの場合、納税地は、贈与を受けた人が定めます。そしてその所轄税務署長に申告し納税しなくてはなりません。この申告がない場合には、納税地は国税庁長官が指定して通知されます。
 贈与税の納税義務者には、①無制限納税義務者②制限納税義務者の2種類があります。
①は(1)贈与により財産を取得した個人で取得時点で国内に住所がある(2)贈与により財産を取得した日本国籍を有する個人で当該財産取得時点で国内に住所を有していない――のどちらかに該当する人のことで、この場合は国内財産・国外財産ともに課税です。
②に該当するなら国内財産にのみ課税という仕組みです。

2017年9月15日金曜日

(所得税)準確定申告

■相続人がする準確定申告
 所得税は、毎年1月1日から12月31日までの1年間の所得金額に対する税額を算出して翌年の2月16日から3月15日までの間に申告と納税をすることになっています。
 しかし、確定申告をすべき人が年の中途で死亡した場合は、相続人が、1月1日から死亡した日までの所得金額に関して、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内に申告と納税をしなければなりません。
 また、確定申告をしなければならない人が翌年の1月1日から確定申告期限までの間に確定申告書を提出しないで死亡した場合も、同様に相続人は4か月以内に申告と納税をしなければなりません。
この死亡した本人に代わって相続人が行う申告を準確定申告といいます。

■準確定申告は法文上にない
 この準確定申告という用語ですが、所得税法及び同施行令上にはありません。
 所得税法の第五章(申告、納付及び還付)第二節中、第一款(確定申告)、第二款(死亡又は出国の場合の確定申告)と区分されているところからして通常の確定申告とは違うと理解するところです。
 タックスアンサーその他国税庁のサイト内では普通に準確定申告といっていますし、申告書の記載例においても「平成××年分の所得税の確定申告書」の「確定」の前に「準」を手書きで挿入するようになっています。

■非居住者のする準確定申告
 ところで非居住者が一定の場合に確定申告をするときに使用する申告書は、「平成○○年分の所得税準確定申告書(所得税法第172条第1項に規定する申告書)」というものです。書式でも準確定申告書とあります。
 所得税法上「出国」は特別な定義付けがされているところですが、本人の死亡も出国も特別なものなのです。

2017年9月10日日曜日

(法人税)制服支給

 従業員に制服を支給または貸与する場合、給与所得として源泉徴収する必要はありません。従業員が制服の支給で得る経済的利益は一種の反射的利益で、給与所得者に特別な利益を与えるものではありません。また、給与所得者の役務提供に対する対価という性格も極めて希薄だからです。
 ただし、気をつけたいのが、いくら会社が「制服」としても、税務上も制服と認められるかどうかは実態によるということです。実は、ここでいう非課税となる制服には一定の決まりがあります。
 その事務服、作業服などの貸与や支給が非課税とされるためには、①専ら勤務する場所において通常の職務を行う上で着用するもので、私用には着用しないあるいは着用できないものであること②事務服等の支給または貸与が、その職場に属する者の全員または一定の仕事に従事する者の全員を対象として行われるものであること――が必要です。
②についてさらに厳格にいえば、着用する者がそれによって、一見して特定の職員または特定雇用主の従業員であることが判別できるものであることが条件となります。
 会社から「制服」として支給され、職務の遂行に当たり現に着用されているものであっても、これらの要件を満たさないものは非課税とされる制服には当たりません。
 たとえば、私服にもなり得る一般的なスーツを支給した場合には、源泉徴収の必要があるというわけです。

(その他)税金の消滅時効

■国税の時効
 国税徴収権の消滅時効の期間は法定納期限から5年です。ただし、刑事告発されるような「偽りその他不正の行為」が発覚した場合には、時効の完成は7年に延びます。
 租税債務は破産でも消滅しないのですから特別扱いなのですが、時効についても何か特別扱いがあるかというと、そういう規定は特にありません。
 逆に、「その援用を要せず、またその利益を放棄することができない」とされていて、納税者に有利な規定となっています。

■税金の場合の時効消滅
 国税徴収官には、滞納税金の消滅時効を回避保全する事が義務付けられています。滅多なことでない限り単なる期間の徒過による時効消滅はありそうではありません。
 それでは、納税者が破産宣告を受けた後でも、督促状が送り続けられてきた上で、破産後5年経過前に時効中断措置が採られるものなのでしょうか。
 形式的にはそういうことになるのでしょうが、実際には民間の債権債務の貸倒処理と同じく、滞納税金が少額であるとか、回収費用がかかりすぎるとか、回収そのものが困難とかの場合には、時効回避保全事務を解除する措置をとりますので、督促状も来なくなり、滞納税金も時効期間の経過とともに消滅することになります。






2017年9月9日土曜日

(法人税)貸倒損失

取引先の経営状況が芳しくなく、売掛金や貸付金などの金銭債権について一定の事実が生じた場合、「貸倒損失」として損金の額に算入することができます。
 まず、金銭債権が切り捨てられた場合です。具体的には、①会社更生法、会社法、民事再生法などの規定により切り捨てられる金額②法令の規定による整理手続によらない債権者集会の協議決定および行政機関などのあっせんによる協議で、合理的基準で切り捨てられる金額③債務者の債務超過状態が相当期間継続し、金銭債権の弁済を受けることができない場合に、債務者に対し書面で明らかにした債務免除額――これらは、生じた事業年度の損金に算入できます。
 金銭債権の全額が回収不能となることもあります。その場合、全額が回収できないと明らかになった事業年度に、貸倒れとして損金経理することができます。 ただし担保物があると、処分後でないと損金経理できません。保証債務は、現実に履行した後でなければ貸倒れの対象になりません。
 また、売掛債権(貸付金など除く)について、①債務者の支払能力悪化などで取引を停止した場合、取引停止時と最後の弁済時などのうち最も遅い時から1年以上経過したとき(その売掛債権に担保物のある場合は除く)②同一地域の債務者に対する売掛債権の総額が取立費用より少なく、支払を督促しても弁済がない――といった事実があれば、その売掛債権額から備忘価額を引いた残額を貸倒れとして損金経理できます。

2017年9月7日木曜日

(法人税)資本的支出と耐用年数

◇原則的な取扱い
 減価償却資産について修繕等をして、資本的支出として損金の額に算入されなかった金額がある場合には、その金額を取得価額として、修繕対象資産と種類及び耐用年数を同じくする資産を新たに別途取得したものと扱われます。

◇翌年期首の選択事項
 その事業年度の前事業年度において、修繕対象資産と資本的支出につき別個に減価償却している場合で、その資産が定率法を採用している平成19年4月以後取得資産のときは、その事業年度の期首の日付にて、修繕対象資産と資本的支出の期首帳簿価額の合計額を新取得価額とする一の中古の減価償却資産を新たに取得したものとすることができます。

◇一の新取得とされた中古資産の耐用年数
 中古資産に新たに付される耐用年数は、
 (1)資本的支出額が対象資産の再取得価額の50%以下のときは、
 ①使用可能期間としての見積年数
 ②簡便法で計算した年数
のいずれかの方法により定められます。
 (2)資本的支出額が対象資産の再取得価額の50%超のときは、上の①②の適用がないので、本来の法定耐用がそのまま付されることになります。
 再取得価額とは、中古資産と同じものの新品を取得する場合のその取得価額をいいます。新品価額の50%相当額を超える資本的支出を行った場合には、その資産はもはや中古とは言えず、新品と同様に取り扱うべきとの考えで、先の(1)と(2)の区別がなされているようです。

◇当初からの中古資産への資本的支出
 資本的支出をする対象となった資産がもともと中古資産で、見積法あるいは簡便法で耐用年数が決められていた場合、この度の資本的支出の額が新品再取得価額の50%を超えるような時には、一の中古の資産に対し旧来の耐用年数ではなく、本来の法定耐用が付されることになります。
 このようなケースでは、冒頭の原則的取扱いのままの場合なら、もともとの対象資産の短い耐用年数が資本的支出にも適用になるので、選択の有利不利はよく検討しなければなりません。

2017年9月3日日曜日

(贈与税)親からの仕送り

親からの仕送りは、子どもの「生活費」に当たるため贈与税の課税対象にはなりません。ただし、子どもが、生活費としてもらった仕送りを貯金したり、株式や家屋の購入資金に充てたりした場合は贈与税が課税されるので注意が必要です。また、「生活費」として贈与税が課税されないのは「生活費として必要な都度取得したもの」に限られるため、たとえば「1年分の生活費を一括して振り込んだ」といった場合には、課税の対象となる可能性があります。

 ところで、大学生の子どもが病気になり、親が急きょ医療費を振り込むことも少なくありませんが、この場合の医療費も「生活費」の範囲に含まれており、課税対象外です。このほか、親が子どもの口座に振り込んだ学費は「教育費」に含まれるため、贈与税は課税されません。

2017年9月2日土曜日

(法人税)在庫を社員へ販売する場合の値引き率

社員販売を行う場合、社員に対する商品の販売価格が「会社で取得した価額」以上であると同時に、実際の販売価格の70%以上であれば、給与課税されることはありません。またその際、商品の値引率が全社員一律である、または、役職、勤務年数などに応じて合理的に算定されたものでなければなりません。
 ただし、販売価格については、必ずしも「実際の販売価格の70%以上」でなければならないというわけではありません。たとえば、衣料品のような流行り廃りのある商品であれば、いちど流行遅れになってしまうと通常価格で販売することは難しくなります。このような場合、在庫商品の評価損を計上することになりますが、それにより商品の原価、販売価格も低下することになります。しかし、それにより商品の原価、販売価額も低下するので、実際には70%を下回っていても現物給与とされないケースも出てくるわけです。

 ところで、販売価格が安いからといって、自社商品を大量に購入する社員が出てきた場合は要注意です。一般に家庭で消費される量を著しく超える値引き販売が行われた場合には、仮に価格や値引率が適正でも現物給与と見なされることがあります。

(所得税・消費税)立退き料の所得区分

 ビルの建て替えなどを理由に賃貸契約が解除される場合、ビルオーナー側から入居者に対して「立退き料」が支払われるのが通例ですが、個人が受け取った場合はもちろん所得税の課税対象となることを忘れてはいけません。しかも、受け取った立退き料の所得区分は、その中身や性格により3パターンに分かれるので注意が必要です。
 たとえば、立退き料が「家屋の明渡しによって賃貸借の権利が消滅することに対する補償金」として支払われたものであれば、所得区分は「譲渡所得」となります。また、「立ち退きに当たって必要となる移転費用の補償金」としての性格を持つ立退き料については、「一時所得」です。さらに、「その家屋で行っていた事業が休業・廃業となったことによる営業収益の補償金」としての性格を持つものであれば、「事業所得」となります。

 なお、立退き料の支払いが消費税の課税取引となるのかどうかという点も気になるところです。これについては、消費税基本通達5-2-7の中で明確化されています。立退き料とは「賃貸借の権利が消滅することに対する補償、営業上の損失又は移転等に要する実費補償などに伴い授受されるものであり、資産の譲渡等の対価に該当しない」とされており、消費税の不課税取引となります。

2017年8月28日月曜日

(所得税・相続税)会社からの弔慰金

弔慰金は、社会通念上相当と認められるものに限り所得税および贈与税が課されないこととなっており(所得税基本通達9-23、相続税法基本通達21の3-9)、その範囲を超えた部分の金額については相続税の課税対象となります。
 ですが、この「社会通念上相当と認められるもの」という表現は曖昧であるため、この文面だけで非課税となる弔慰金の範囲を判断するのは難しいもの。

 これについて国税庁は、「相続税法基本通達3-20の中で弔慰金として取り扱われた金額については課税されない」としています。
 この「弔慰金として取り扱われた金額」とは、①被相続人の死亡が業務上の死亡であるときは、死亡当時における賞与以外の普通給与(俸給、給料、賃金、扶養手当、勤務地手当、特殊勤務地手当等の合計額)の3年分に相当する金額②被相続人の死亡が業務上の死亡でないときは、被相続人の死亡当時における賞与以外の普通給与の半年分に相当する金額――とされ、この範囲を超えた金額については「社会通念上相当と認められるもの」に該当せず、退職手当金の一部として取り扱うべきであることを明確化しています。

2017年8月27日日曜日

(法人税)デザイン料の税務

容器に社名や商品名が大きくプリントされていることから、デザイン変更にともない発生したデザイン料は「広告宣伝費」扱いになるのではと思いがちです。
 しかし、商品のパッケージや容器は商品の一部を構成するものであるため、そのデザイン料も商品の一部を構成する費用、つまり、容器作成のための費用ということになります。
 したがって、この種のデザイン料は、広告宣伝費扱いにはならず、容器の製作原価扱い。そして、これはつまり商品そのものの製造原価ということになります。
 ただし、製作原価への配賦方法については少し注意が必要です。デザインの内容によって取り扱いが微妙に異なってくるからです。

 配賦方法は、そのデザインが意匠登録されているか、されていないかで異なります。
 そのデザインが意匠登録されている場合は、無形固定資産の取得価額となるので減価償却費の計算にもとづき製作原価に配賦します。
 意匠登録されていない場合は、製造予定期間に応じて、製作原価に配賦することになります。

2017年8月26日土曜日

(法人税)創立記念品を「元従業員」に支給 

通常、企業が専ら従業員の慰安のために行う運動会、演芸会、旅行などのために通常要する費用については、その運動会、演芸会、旅行などが全社員を対象としていることなどを条件に、交際費ではなく福利厚生費として取り扱うことが可能とされています。

 また、創立記念、増資記念、工事完成記念または合併記念などに際して、その記念として支給する記念品のうち、①社会通念上、記念品として相応しいものであり、その価額が1万円以下のもの②創立記念のように一定期間ごとに到来する“記念”に際して支給する記念品については、おおむね5年以上の期間ごとに支給するもの――といった2つの条件を満たしているものについても、その購入費用を福利厚生費として損金の額に算入することができます(法人税基本通達36‐22)。

 それでは、「元従業員」に対して支給される記念品についてはどうなるのでしょうか。定年退職者で組織されるOB会などの在籍者に対してもこうした記念品を配るケースは少なくありません。
 これについて国税庁は、「元従業員にいわば一律に支給される創業記念品については、従業員と同様に取り扱うことが相当」であることを明確化しています。
 一方、「一律に支給」「高額でない」といった条件を満たしている創立記念品であっても、関連会社や取引先の社員などに支給された場合、その購入費用は交際費になります。

2017年8月21日月曜日

(消費税)自家消費した商品の消費税

消費税は、実際に受領した課税資産の譲渡などの対価が課税標準となるのが原則です。しかし、対価を得ない取引に対して、対価を得て行う資産の譲渡とみなして課税される場合と、一定の取引でその対価の額が時価に比べて著しく低い場合には、その時価を対価の額とみなして課税されます。

 こうした取引の例として、個人事業者の自家消費と法人がその役員に対して行う資産の贈与及び著しく低い価額による譲渡が挙げられます。
 個人事業者が自家消費した場合には、その自家消費した資産の消費もしくは使用した時点の資産の価額、すなわち時価に相当する金額を課税標準とみなして課税されることになります。
 ただし、そのたな卸資産の仕入価額以上の金額で、しかも、通常ほかに販売する価額のおおむね50%に相当する金額以上の金額を対価の相当額として確定申告した場合は、その申告での取り扱いが認められます。

2017年8月20日日曜日

(所得税)屋上の広告板料金

広告などのため、土地、家屋の屋上または側面、塀などを使用させる場合に地主や家主が受け取る対価は、「不動産所得」に該当します。
 不動産所得とは、①土地や建物など不動産の貸付け②地上権など不動産の上に存する権利の設定および貸付け③船舶や航空機の貸付け――によって生じる所得です。「総収入金額-必要経費」で計算します。
 必ずしも広告看「板」に限らず、広告塔やネオンサインなどの設置の対価として受け取るものも含まれます。また、広告を出す使用料のほか、「許諾料」などとして一時に受け取るものや、「管理料」「電気料」などとして受け取るものも含まれます。

 ところで、街中の広告看板というと、野外にあるものだけではありません。銭湯や飲食店など、人が集まる場所の壁面にも広告看板は存在します。
 浴場業、飲食業など店舗内に広告の掲示することで店主が受け取る収入については、不動産所得ではなく事業の付随収入として「事業所得」となります。
 事業所得は、農業・漁業・製造業・卸売業・小売業・サービス業その他の事業を営んでいる人の、その事業から生ずる所得のことです。不動産所得同様、「総収入金額-必要経費」で計算します。

(法人税)社宅家賃<役員>

役員に対して社宅を貸与する場合は、役員から1か月当たり一定額の家賃(以下「賃貸料相当額」といいます。)を受け取っていれば、給与として課税されません。  賃貸料相当額は、貸与する社宅の床面積により小規模な住宅とそれ以外の住宅とに分け、次のように計算します。ただし、この社宅が、社会...