購入した不動産の取得価額には、原則として、その資産の購入代価とその資産を事業の用に供するために直接要した費用が含まれます。
①仲介手数料
不動産の購入に際し不動産会社に支払う仲介手数料は、資産の取得価額に計上します。建物に係る介手数料は、建物取得価額に計上した上で耐用年数に応じて減価償却の対象になります。
②固定資産税の精算金
税務上は、固定資産税の精算金は、売買金額の一部として取り扱い、建物に係る固定資産税の精算金は建物に、土地に係るものは土地の取得価額として計上します。
③借入金利息等
【所得税法基本通達38-8】
固定資産の取得のために借り入れた資金の利子(賦払の契約により購入した固定資産に係る購入代価と賦払期間中の利息及び賦払金の回収費用等に相当する金額とが明らかに区分されている場合におけるその利息及び回収費用等に相当する金額を含む。)のうち、その資金の借入れの日から当該固定資産の使用開始の日(当該固定資産の取得後、当該固定資産を使用しないで譲渡した場合においては、当該譲渡の日。以下38-8の6において同じ。)までの期間に対応する部分の金額は、業務の用に供される資産に係るもので、37-27又は37-28により当該業務に係る各種所得の金額の計算上必要経費に算入されたものを除き、当該固定資産の取得費又は取得価額に算入する。
固定資産の取得のために資金を借り入れる際に支出する公正証書作成費用、抵当権設定登記費用、借入れの担保として締結した保険契約に基づき支払う保険料その他の費用で当該資金の借入れのために通常必要と認められるものについても、同様とする。
【所得税法基本通達37-27】
業務を営んでいる者が当該業務の用に供する資産(37-28において「業務の用に供される資産」という。)の取得のために借り入れた資金の利子は、当該業務に係る各種所得の金額の計算上必要経費に算入する。ただし、当該資産の使用開始の日までの期間に対応する部分の金額については、当該資産の取得価額に算入することができる。(昭52直所3-33、直法6-10、直資3-15改正)
(注) 不動産所得、事業所得、山林所得又は雑所得を生ずべき業務を開始する前に、当該業務の用に供する資産を取得している場合の当該資産の取得のために借り入れた資金の利子のうち当該業務を開始する前の期間に対応するものは、この項の適用はなく、「38-8」の適用があることに留意する。
【所得税法基本通達37-27】
業務の用に供される資産を賦払の契約により購入した場合において、その契約において購入代価と賦払期間中の利息及び賦払金の回収のための費用等に相当する金額とが明らかに区分されている場合のその利息及び費用等に相当する金額は、当該賦払期間中の各年分の必要経費に算入する。ただし、当該資産の使用開始の日までの期間に対応する部分の金額については、当該資産の取得価額に算入することができる。
④収入印紙
(1)金銭消費貸借契約書の印紙 必要経費計上(2)不動産売買契約書の印紙 取得価額計上
⑤登記費用・不動産取得税等
個人の場合 必要経費計上
法人の場合 費用計上又は資産計上(取得価額計上)の選択