2019年5月16日木曜日

(法人税)社宅家賃<役員>

役員に対して社宅を貸与する場合は、役員から1か月当たり一定額の家賃(以下「賃貸料相当額」といいます。)を受け取っていれば、給与として課税されません。
 賃貸料相当額は、貸与する社宅の床面積により小規模な住宅とそれ以外の住宅とに分け、次のように計算します。ただし、この社宅が、社会通念上一般に貸与されている社宅と認められないいわゆる豪華社宅である場合は、次の算式の適用はなく、通常支払うべき使用料に相当する額が賃貸料相当額になります。
  1. (注1) 小規模な住宅とは、法定耐用年数が30年以下の建物の場合には床面積が132平方メートル以下である住宅、法定耐用年数が30年を超える建物の場合には床面積が99平方メートル以下(区分所有の建物は共用部分の床面積をあん分し、専用部分の床面積に加えたところで判定します。)である住宅をいいます。
  2. (注2) いわゆる豪華社宅であるかどうかは、床面積が240平方メートルを超えるもののうち、取得価額、支払賃貸料の額、内外装の状況等各種の要素を総合勘案して判定します。なお、床面積が240平方メートル以下のものであっても、一般に貸与されている住宅等に設置されていないプール等の設備や役員個人のし好を著しく反映した設備等を有するものについては、いわゆる豪華社宅に該当することとなります。
1 役員に貸与する社宅が小規模な住宅である場合

次の(1)から(3)の合計額が賃貸料相当額になります。
  1. (1) (その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2%
  2. (2) 12円×(その建物の総床面積(平方メートル)/(3.3平方メートル))
  3. (3) (その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22%
2 役員に貸与する社宅が小規模な住宅でない場合

役員に貸与する社宅が小規模住宅に該当しない場合には、その社宅が自社所有の社宅か、他から借り受けた住宅等を役員へ貸与しているのかで、賃貸料相当額の算出方法が異なります。
  1. (1) 自社所有の社宅の場合
    次のイとロの合計額の12分の1が賃貸料相当額になります。
    1. イ (その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×12%
       ただし、法定耐用年数が30年を超える建物の場合には12%ではなく、10%を乗じます。
    2. ロ (その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×6%
  2. (2) 他から借り受けた住宅等を貸与する場合
     会社が家主に支払う家賃の50%の金額と、上記(1)で算出した賃貸料相当額とのいずれか多い金額が賃貸料相当額になります。
3 給与として課税される範囲

  1. (1) 役員に無償で貸与する場合には、賃貸料相当額が、給与として課税されます。
  2. (2) 役員から賃貸料相当額より低い家賃を受け取っている場合には、賃貸料相当額と受け取っている家賃との差額が給与として課税されます。
  3. (3) 現金で支給される住宅手当や入居者が直接契約している場合の家賃負担は、社宅の貸与とは認められないので、給与として課税されます。
(所法36、所基通36-15、36-40~42、平7・4課法8-1外)

参考:国税庁タックスアンサー

(法人税)社宅家賃<従業員>

使用人に対して社宅や寮などを貸与する場合には、使用人から1か月当たり一定額の家賃(以下「賃貸料相当額」といいます。)以上を受け取っていれば給与として課税されません。
 賃貸料相当額とは、次の(1)~(3)の合計額をいいます。
  1. (1) (その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2%
  2. (2) 12円×(その建物の総床面積(平方メートル)/3.3(平方メートル))
  3. (3) (その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22%
使用人に無償で貸与する場合には、この賃貸料相当額が給与として課税されます。
 使用人から賃貸料相当額より低い家賃を受け取っている場合には、受け取っている家賃と賃貸料相当額との差額が、給与として課税されます。
 しかし、使用人から受け取っている家賃が、賃貸料相当額の50%以上であれば、受け取っている家賃と賃貸料相当額との差額は、給与として課税されません。
(例)賃貸料相当額が1万円の社宅を使用人に貸与した場合
  1. (1) 使用人に無償で貸与する場合には、1万円が給与として課税されます。
  2. (2) 使用人から3千円の家賃を受け取る場合には、賃貸料相当額である1万円と3千円との差額の7千円が給与として課税されます。
  3. (3) 使用人から6千円の家賃を受け取る場合には、6千円は賃貸料相当額である1万円の50%以上ですので、賃貸料相当額である1万円と6千円との差額の4千円は給与として課税されません。
また、会社などが所有している社宅や寮などを貸与する場合に限らず、他から借りて貸与する場合でも、前に説明した三つを合計した金額が賃貸料相当額となります。
 したがって、他から借り受けた社宅や寮などを貸す場合にも、貸主等から固定資産税の課税標準額などを確認することが必要です。
 現金で支給される住宅手当や、入居者が直接契約している場合の家賃負担は、社宅の貸与とは認められないので給与として課税されます。
 なお、看護師や守衛など、仕事を行う上で勤務場所を離れて住むことが困難な使用人に対して、仕事に従事させる都合上社宅や寮を貸与する場合には、無償で貸与しても給与として課税されない場合があります。


参考:国税庁タックスアンサー

(法人税)慰安旅行と税務

従業員レクリエーション旅行の場合は、その旅行によって従業員に供与する経済的利益の額が少額の現物給与は強いて課税しないという少額不追及の趣旨を逸脱しないものであると認められ、かつ、その旅行が次のいずれの要件も満たすものであるときは、原則として、その旅行の費用を旅行に参加した人の給与としなくてもよいことになっています。
(1) 旅行の期間が4泊5日以内であること。
海外旅行の場合には、外国での滞在日数が4泊5日以内であること。
(2) 旅行に参加した人数が全体の人数の50%以上であること。
工場や支店ごとに行う旅行は、それぞれの職場ごとの人数の50%以上が参加することが必要です。
(注1) 上記いずれの要件も満たしている旅行であっても、自己の都合で旅行に参加しなかった人に金銭を支給する場合には、参加者と不参加者の全員にその不参加者に対して支給する金銭の額に相当する額の給与の支給があったものとされます。
 
(注2) 次のようなものについては、ここにいう従業員レクリエーション旅行には該当しないため、その旅行に係る費用は給与、交際費などとして適切に処理する必要があります。
 
 
①役員だけで行う旅行
②取引先に対する接待、供応、慰安等のための旅行
③実質的に私的旅行と認められる旅行
④金銭との選択が可能な旅行


参考:国税庁タックスアンサー

2018年2月4日日曜日

(所得税・法人税)不動産購入の際の必要経費算入


 購入した不動産の取得価額には、原則として、その資産の購入代価とその資産を事業の用に供するために直接要した費用が含まれます。

仲介手数料 
 不動産の購入に際し不動産会社に支払う仲介手数料は、資産の取得価額に計上します。建物に係る介手数料は、建物取得価額に計上した上で耐用年数に応じて減価償却の対象になります。
固定資産税の精算金
 税務上は、固定資産税の精算金は、売買金額の一部として取り扱い、建物に係る固定資産税の精算金は建物に、土地に係るものは土地の取得価額として計上します。
借入金利息等
【所得税法基本通達38-8
  固定資産の取得のために借り入れた資金の利子(賦払の契約により購入した固定資産に係る購入代価と賦払期間中の利息及び賦払金の回収費用等に相当する金額とが明らかに区分されている場合におけるその利息及び回収費用等に相当する金額を含む。)のうち、その資金の借入れの日から当該固定資産の使用開始の日(当該固定資産の取得後、当該固定資産を使用しないで譲渡した場合においては、当該譲渡の日。以下3886において同じ。)までの期間に対応する部分の金額は、業務の用に供される資産に係るもので、3727又は3728により当該業務に係る各種所得の金額の計算上必要経費に算入されたものを除き、当該固定資産の取得費又は取得価額に算入する。
 固定資産の取得のために資金を借り入れる際に支出する公正証書作成費用抵当権設定登記費用借入れの担保として締結した保険契約に基づき支払う保険料その他の費用当該資金の借入れのために通常必要と認められるものについても、同様とする。
【所得税法基本通達37-27
 業務を営んでいる者が当該業務の用に供する資産(3728において「業務の用に供される資産」という。)の取得のために借り入れた資金の利子は、当該業務に係る各種所得の金額の計算上必要経費に算入する。ただし、当該資産の使用開始の日までの期間に対応する部分の金額については、当該資産の取得価額に算入することができる。(昭52直所333、直法610、直資315改正)
() 不動産所得、事業所得、山林所得又は雑所得を生ずべき業務を開始する前に当該業務の用に供する資産を取得している場合の当該資産の取得のために借り入れた資金の利子のうち当該業務を開始する前の期間に対応するものは、この項の適用はなく、「388」の適用があることに留意する。
【所得税法基本通達37-27
 業務の用に供される資産を賦払の契約により購入した場合において、その契約において購入代価と賦払期間中の利息及び賦払金の回収のための費用等に相当する金額とが明らかに区分されている場合のその利息及び費用等に相当する金額は、当該賦払期間中の各年分の必要経費に算入する。ただし、当該資産の使用開始の日までの期間に対応する部分の金額については、当該資産の取得価額に算入することができる。
収入印紙
1)金銭消費貸借契約書の印紙  必要経費計上
2)不動産売買契約書の印紙   取得価額計上
登記費用・不動産取得税等
  個人の場合  必要経費計上
 法人の場合  費用計上又は資産計上(取得価額計上)の選択


 

2017年9月21日木曜日

(所得税・贈与税)離婚と税金

■慰謝料は損害賠償
 慰謝料とは、離婚原因を作った方が、相手方に支払う精神的・肉体的損害に対する賠償です。ですから貰ったほうは収入になりますが、所得税法に心身に加えられた損害の賠償金は非課税とありますので課税されません。

■財産分与は共有財産の分割
 財産分与とは、夫婦の財産は2人で協力して築いてきた財産であるとして、その財産を単に2人で分けることであるため、原則贈与税はかかりません。
 原則と言うのは、その財産分与が異常に過大であったり、この制度を利用して、贈与税や相続税を逃れる為の離婚であったりした場合は、贈与税が課税されます。

■金銭でない場合は要注意
 財産を全て金銭(預金等)で持っている場合は少ないと思われます。財産と言われる物としては自宅等の不動産があると思われます。不動産で慰謝料や財産分与を支払った場合は、一度不動産を売却しそのお金で慰謝料や財産分与を支払ったと考え、支払った側に不動産の譲渡所得が発生します。
 不動産が下落している場合は譲渡損となり譲渡所得は発生しませんが、不動産が値上がりしている場合や、相続や贈与で親から貰った場合は譲渡所得が発生し、所得税が課税されます。

2017年9月17日日曜日

(法人税)アーケード(共同施設)負担金

 「共同的施設」の設置に際して支出した費用については、一時の損金に算入することはできません。商店街のアーケードのケースでは、繰延資産として5年で均等償却する必要があります。
 会社が便益を受ける公共的施設の設置または改良のために支出する費用で、支出の効果がその支出の日以後1年以上に及ぶものは繰延資産となります。
 具体的には、①道路、堤防、護岸、工作物などの公共的施設の設置や改良のために要する費用②自己が利用する公共的施設の設置や改良を国や地方が行う場合の一部負担金③自己の所有する道路や工作物を国や地方に提供した場合のその道路や工作物の価額④国や地方の行う公共的施設の設置などで著しく利益を受ける場合のその設置費用の一部負担金⑤鉄道業以外の法人で鉄道業を営む法人が、鉄道の建設で支出する連絡地下道などの建設費用の一部負担金――などが該当します。
 償却期間はその施設の耐用年数などによって異なりますが、償却限度額は「繰延資産÷償却期間の月数×その事業年度の月数」となります。






2017年9月16日土曜日

(贈与税)海外財産の贈与

 日本国内にある財産を、日本国内に住所を有していない個人が、贈与によって取得した場合でも、贈与税が課税されます。また、海外にある財産を贈与により取得した場合でも、その贈与を受けた人に日本国籍があって、その人または贈与した人が贈与前5 年以内に国内に住所を有していたときは、その国外財産についても課税されるので要注意です。これらの場合、納税地は、贈与を受けた人が定めます。そしてその所轄税務署長に申告し納税しなくてはなりません。この申告がない場合には、納税地は国税庁長官が指定して通知されます。
 贈与税の納税義務者には、①無制限納税義務者②制限納税義務者の2種類があります。
①は(1)贈与により財産を取得した個人で取得時点で国内に住所がある(2)贈与により財産を取得した日本国籍を有する個人で当該財産取得時点で国内に住所を有していない――のどちらかに該当する人のことで、この場合は国内財産・国外財産ともに課税です。
②に該当するなら国内財産にのみ課税という仕組みです。

(法人税)社宅家賃<役員>

役員に対して社宅を貸与する場合は、役員から1か月当たり一定額の家賃(以下「賃貸料相当額」といいます。)を受け取っていれば、給与として課税されません。  賃貸料相当額は、貸与する社宅の床面積により小規模な住宅とそれ以外の住宅とに分け、次のように計算します。ただし、この社宅が、社会...